KPIマネジメント|成功事例と部署別の指標を知れば、スピーディかつ効果的に導入できる
KPIマネジメントが成功するかどうかは、いかに適切なKPIを設定できるかどうかが鍵となります。
ここで自社の現状とかけ離れていたり、最終ゴールの達成に貢献しないKPIを設定したりしてしまうと、設定後のマネジメントがどれだけうまくできても期待した成果をだすことはできません。
KPIマネジメントは、適切なKPIを設定し、それをマネジメントしていくシンプルなツールですが、シンプルだけに一つの設定ミスが命取りとなりかねないのです。
しかし、KPIマネジメントで最も難しいとよく聞くのも、このKPIの設定です。
設定してみたもののこれで正しいのか不安、どのように設定すればよいかわからず感覚まかせになってしまう、という声をよく耳にします。
KPIは自社の現状や達成すべきゴールにより異なるので、どれが正解というわけではないのですが、よく使われるKPIはあります。
KPIを設定するコツは、事例やよく使われる指標を参考にして自社に置き換えていくことです。
そこで、KPIの設定で迷わないために成功した設定事例と、部署別によく利用される指標を集めました。
本記事をお読みいただければ、KPIの設定に迷いがなくなり、自社の現状にあった正しいKPIが設定できるようになり、業績を拡大できるようになります。
そもそもKPIマネジメントとは?
事例を紹介する前に、KPIマネジメントとは何かを確認しておきましょう。
KPIマネジメントとは、KPIという目標を達成するための中間指標を設定し、それを適切にマネジメントしていくことで成果を最大化させる仕組みのことです。
重要な指標に組織の力をフォーカスすることで、最短距離で目標を達成することができます。何を達成すればよいか指標が明確になるので、組織の生産性も高められるでしょう。
競争環境が複雑になり選ばれる企業であるためには専門性が求められるようになりました。KPIで行動を絞ることで専門性を高めやすくなります。
また、人材不足が社会問題化する中で、一人一人の生産性を向上させることは、どの企業でも必須の課題となっています。KPIは先述したように生産性を高める有効な仕組みです。
KPIマネジメントは、戦略と組織を最適化させる仕組みといえます。しかも、ほとんど費用がかからずに導入できるのです。
あれこれと手を出しているがなかなか思うような成果がでない、
メンバーにチームワークや一体感が足りない、
朝令暮改が当たり前の状態になっている、
このようなお悩みを持つ経営者や幹部、チームリーダーの方はKPIマネジメントの導入を検討していきましょう。
▼KPIマネジメントの設定方法やメリットなどの詳細はコチラ
KPIマネジメントの事例
KPIを設定するには、まずKSFを見抜く必要があります。
KSFとは、重要成功要因とよばれ、目標を達成するために最も重要な課題のことをいいます。
例えば、百貨店やスーパーではいかに他社と差別化できる品揃えとするかが競争に勝つ重要な要因ですし、化粧品や菓子では宣伝力が業績を決定づけます。
経営戦略におけるKSFの例をだしましたが、営業や経理など他の部署の目標でも同じようにKSFを見抜くことが重要です。
KPIとは、このKSFを含む目標達成のための課題を数値化したものです。
目標達成には、様々な課題がでますが、KSFを数値化したKPIの達成に重点をおいて活動していきます。
▼KPIの設定方法、KSFの詳細はコチラ
コメダ珈琲のKSF
コメダ珈琲は、飽和状態だったカフェ市場にボリュームのあるフードと落ち着いたインテリアで顧客の支持を獲得しシェアを急拡大させました。
数あるコーヒーチェーンの中で出店数は業界3位、今も店舗が増加中です。2016年には東証一部上場を果たしました。
競合ひしめくカフェ市場で地方から新規参入したコメダ珈琲が急速にシェアを拡大させることができた要因は何だったのでしょうか。
カフェ市場は、セルフサービスで安く手軽に飲食できる店からチェーン店ながら本格コーヒーが味わえる店まで玉石混合の状態です。
その中でコメダ珈琲は、ログハウス風で昔ながらの雰囲気を演出、ボリュームのあるフードメニュー、新聞・雑誌等の長居したくなる空間づくりという強みを活かしファン化に成功しています。
これらがコメダ珈琲のKSFといえるでしょう。
店舗ビジネスで成功するには、接客や立地など他にも重要な要因はありますが、KSFを抽出することで競争に勝てる最も大切な要因を見抜くことができます。
部署別の代表的な指標
KSFを発見し、それを達成するために数値化してKPI化していくわけですが、どのような指標をKPIに設定すればよいかを悩む方も多いでしょう。
正解はなく様々な指標を試して、最もKSFの達成に貢献するKPIを設定するのがベストですが、各部署で代表的な指標はあります。まずは代表的な指標から試して検証しながら自社に合うものを見つけていきましょう。
◆営業部のKPI
営業部のKPIは主に新規獲得数や売上達成率が使われますが、これは最終結果に近い指標となるので、営業プロセスを分析して、最終結果への影響が高い指標を中心的なKPIにしていきましょう。
新規顧客獲得数
一人あたりの案件数
コンタクトから成約までの平均日数
訪問件数(アポイント数)
LTV
顧客一軒あたりの平均取引額
◆マーケティング部のKPI
営業部と同様に、マーケティングも施策によりKPIは異なるので、自社のマーケティングプロセスを細かく分類するようにしましょう。
大きくオンラインとオフラインで分けるとわかりやすくなります。オンラインは数値化しやすいので、すべてのアクションを数字で把握することが重要です。
リード(見込み客)数
リードから成約までの各ファネルの転換率
アクセス数
顧客満足度
顧客一人あたりからの利益率
LTV
◆経営戦略のKPI
経営戦略をKPI化するには、バランススコアカードを利用すると便利です。
財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点の4つの視点から戦略を立てていきます。
注意点は、これらの視点でみていくとKPIが乱立しがちなことです。例を参考にしながら、自分たちの目標の達成に最も重要なKPIに絞り込みましょう。
(学習と成長の視点)
スキル
資格の取得
離職率(%)
(顧客の視点)
シェアの拡大(%)
顧客満足度(%)
リピート率(回数)
(業務プロセスの視点)
コスト低減
納期の短縮
(財務の視点)
売上高増大(%)
経常利益(金額)
ROE(%)
KPIマネジメントで事業を飛躍させよう
KPIマネジメントは、戦略を絞り込み、目標の達成に向けてスタッフの力を凝縮させる強い力のある仕組みです。
しかも、シンプルで実行しやすいので、企業規模を問わず、導入することができます。
一方、KPIの設定が難しく感じて頓挫してしまう企業もいます。
自社に適切なKPIを知るには、実際に試してみて検証を重ねるしかありません。
例を参考にまずはトライしてみましょう。
私たちネオビズでは、KPIマネジメントの導入支援をしています。
KSFの発見からKPI設定、アクションプラン、検証・改善までフルサポートしていますので、KPIマネジメントで迷われたぜひお声がけください。