私(西村)が経営コンサルタントなったのは、今から17年ほど前のことだった。強い意志があって、あるいは何としてでもコンサルタントになるという決意があったわけではない。情けない話しだが、マンネリを避けて何となく当時勤めていた会社を辞めて、今に至るという感じだろうか。

このコラムを読まれている皆さんには、何の参考にもならないかも知れないが、私がコンサルタントになったわけ、経緯などを振り返ってみようと思う。

会社員時代

そもそも私は新卒で電気メーカーに就職し、社会人としての一歩を技術者として歩み始めた。しかしその会社は3年で退社することになる。その理由は今振り返ってもはっきりしないが、大きな不満があったわけではない。人間関係は良好だったし、仕事にそれなりに意義を見い出してもいた。しかし、このまま当時就いていた太陽電池の研究開発という仕事をずっと続けることに虚しさを感じていたのは事実だった。退社して、その会社と同業界の会社に転職した。そこでは、以前の会社と同じように研究職して勤務した。そこではそれなりに充実した会社員時代を過ごした。前半は研究職として、後半は管理職や企画職として様々な経験をさせてもらった。

38歳ごろに社内のあるプロジェクトに参加する機会があった。そのプロジェクトは、研究所(500名ほどが在籍していた)における、次世代の研究テーマの方向性を探索し、全社承認を得るためのものだった。そのプロジェクトの一員として活動する中で、海外を含めて社内外の様々な人たちと交流し意見交換をした。時には合宿にて論戦するということもあった。経営戦略やら戦術フレームワークなどに興味を抱いたことを思い出す。これが、コンサルタントということを何となく興味を持ったきっかけだった。

40代も後半になると、これからの人生をどうのように過ごすのか、このままで良いのか、もっと充実した人生があるのはないかと思い始める。時期はともかくとして、このようなことを思い始める方は多いのだろうと推察する。どちらかと言えば、私は常にこのような疑問を抱いていた。

中小企業診断士になる

当時は何かをしなければと思いから、様々な分野の勉強を行っていた。そのような頃、40代の後半になって中小企業診断士試験の受験を目指した通信教育講座を受け始めた。診断士資格取得には特に大きな意味はなく、そんな資格があるんだという程度の認識だったが、その資格受験に合格することを図らずも挑戦することになった。その結果、運よく合格することができた。この資格試験に合格すると、資格証を得るための最後の関門として、2週間以上のコンサルタント体験を行う必要がある。もちろん、会社には休暇届を出すことになるが、それはそんなに簡単ではない。何しろ、それなりの責任ある立場で働いているのに、2週間も連続して休むのだから、会社にはそれなりの説明が必要になるし、ある程度の覚悟が必要になる。

無事に2週間のコンサルタント体験講座を終えると、晴れて経営コンサルタントと名乗ることができる。それでも職業としての経営コンサルタントというわけでなく、相変わらず会社員のまま。そうこうするうちに、診断士の様々な集まりに参加することになった。先輩診断士の経験談を聞くと、多くの方が元会社員で、会社を辞めてコンサルタントとして独立して生計を立てているということだった。そこで初めて、中小企業診断士いう資格は職業として成り立つんだということを知った次第だった。それなら私も可能性があるのかなと思い始めた。

そのころちょうど、勤務先の企業が独立支援制度の募集を始めた。独立支援制度とは、今でいう早期退職制度のことである。そのころは、『会社では多くのことをさせてもらったが、そろそろ潮時かな』という思いもあって、真剣に退職を考えることになった。熟慮した上で、とうとう退職届を出すことになったが、かといって収入の道が保証されているわけではなく、どうすればクライアントを確保するのかも曖昧なままに、コンサルタントとしての一歩を歩き出したのだ。

コンサルタントとして活動する

診断士になったからといって、もちろんプロの経営コンサルタントになれるわけではない。プロなら報酬をそれなりに得て、さらに重要なことは顧客のためになる仕事をし続けるという当然のことが前提になる。会社を退職したからといって直ちに収入がゼロになったわけではなく、細々と手伝いや執筆活動を行なったりとして、数か月が過ぎたころに、あるコンサルタント会社から、『仕事を手伝ってくれないか』という声をかけていただいた。

ある方との出会いが、その会社と私を結び付けてくれたのだが、その声掛けのおかげで、私のプロとしての経営コンサルタント活動を本格化させることができた。それが、今から17、18年ほど前の出来事だった。さらに、コンサルタントになってからの出来事は、別の機会にこのコラムにて書いてみようと思う。

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